2012年 02月 23日

小樽のひとよ

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本当は、この場に来るのは私ではなくて。
母に、来てほしかった。聴いてもらいたかった。見てもらいたかった。


でも、
かなわなかった。

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「滝川で、ロマンチカのディナーショーがあります。」
三條正人さんの事務所の代表の方からメイルをいただいたのは、昨年10月中旬の事だった。

母は、ずっとずっと長い間、東京ロマンチカの三條正人さんの大ファンである。
今の母にとって、三條正人さんを応援することが、唯一の生きがいであると言っても過言ではない。
だから、師走のディナーショー...わが街にロマンチカが来ることなど、二度とないかもしれないし...という思いも有り、母を呼びたかったのだ。滝川に。

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だけど、それがかなり難しいであろうことも、わかっていた。
でも、何とか出来るかもしれない....色々と無い知恵を振り絞ってみようと頑張ってみた。

「父」の問題を、どうするかなのだ...とにかく、ネックはそれだけ。
12月。ストーブなしでは過ごせない時期。
しかし、父はもうストーブを使うことすらままならなくなってしまった。
母の代わりに私が実家で留守番をすることも勿論考えた。
父も一緒に来てくれないだろうかと、それも考えた。

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父は頑なだった。
ダメと言ったら、ダメなのだ。
認知症がどんどん進んできていても、そこだけは譲らない。
「夜の外出」「家を空けること」そういうことを、異常なまでに嫌う父。
特有の妄想もそこに加わるものだから、もう何を言ってもらちがあかない。

やはり、無理か...

私の体に、母の魂が乗り移ってくれないだろうか。
そんな非現実的なことを、真剣に考えてしまった。

そうして、母をロマンチカのディナーショーに、の願いは実現することなく終わってしまったのだった。

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母に頼まれていた、三條さんに書いていただいたサイン色紙を、後日、実家に持参した。
夢見るような表情で、ディナーショーの様子を聞く母。
だけど。
どんな言葉を以てしても、あの場の昂揚感、サウンドの迫力やショーの華やかな空気といったものは伝えきれない。悔しかった。

しかし母は満足そうだった。それがむしろ、辛かった。

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いつのまにか私も、すっかり歌えるようになっていた。
『小樽のひとよ』

ディナーショーでは二度も歌ってくれた。

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2月23日、今日は母の誕生日。
ゆうパックに入れて送った小樽の写真を見ながら、母はきっと口ずさむだろうか。





by Okamekikurin | 2012-02-23 00:53 | ツブヤキ | Comments(4)
Commented by michiko at 2012-02-23 08:39 x
Kikurinの気持ちはちゃんとお母さまに伝わってますよん❤
親は子供が思ってくれるだけで幸せなのです。
三条正人さんはそれなりに年月を重ねた風格ですが
声とヘアスタイルは変わらないですねぇ
とっても懐かしく聴きほれました♪

春はまだまだという日々ですが 風邪ひかないようにね^^
Commented by Okamekikurin at 2012-02-24 00:30

★michikoさん★
ありがとうございます、michiko師匠(^^)
コメントを書きづらい記事だったろうなぁ...と恐縮でございますっ。

ディナーショーというのは、必ずしもその歌手、グループのすごいファンというわけでもないお方たちもいらしているわけで。なので、コンサートの時のようなものすごい熱さといったものは感じられないのが少し残念なのですが。
でも、歌い手さんたちもまた、それをよく分っていらっしゃるんですよね。さすがプロですよ。

私は母の影響でロマンチカの曲を聴くようになったわけですが、だけどこの日の『小樽のひとよ』もやっぱり泣けました。何故、胸が熱くなるのか...これがとても不思議です。

Commented by hiro at 2012-02-24 15:02 x
小樽には・・・ハタチまでの思い出が
あの頃・・・   あの時・・・  若かったから・・・
言い訳も、後悔も・・・  流れる歌にチクリとささるトゲも・・・
(笑) 少しカットを借りました。別なところで・・・スイマセン。
Commented by Okamekikurin at 2012-02-24 21:35

★hiroさん★
あ、アチラの方で拝見しましたよ~。
いつも使っていただき有難うございます(^^)/
先日の、小樽の雪あかりイベントの画像もいずれ少しだけアップする予定でーす。

小樽。。。hiroさんにとっても思い出深い街なのですね。
懐かしさ、愛おしさ、切なさ、、、色んな思い出があるのでしょうか。

小樽の駅舎は昭和の香りに包まれていて、味わい深いですよねぇ。



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