2015年 03月 14日

「日常」だった


e0235910_22444182.jpg

『感謝乗せ「赤電」終着』
(※北海道新聞2015年3月13日夕刊より転載)


道内初の電車として旧国鉄時代に導入され、「赤電」などの愛称で親しまれた
JR北海道の711系電車が13日午前、最終運行を迎えた。
JR札幌駅では多くの鉄道ファンが到着を出迎え、
半世紀近くにわたって活躍した「道民の足」に感謝と別れを告げた。


最終便は岩見沢駅を午前7時49分に出発。
6両編成の車両に超満員の1200人を乗せて札幌駅に到着した。
(中略)
赤電は函館線小樽―滝川間の電化に合わせて登場。
真っ赤な車体が特徴で、ピークの85年前後には114両が運行されたが
現在は札幌―旭川間で24両を残すのみとなっていた。
今後は快速エアポートなどに使用されている721系電車に置き換えられる。


*********************



e0235910_22531935.jpg





e0235910_22533749.jpg





e0235910_23014142.jpg

自分は撮り鉄でもなければ、乗り鉄でもない。
列車は、自分の暮らしの「足」であり、日常の風景にいつも在るもののひとつ。

駅を利用する際、定点観測のように撮ることに、特に理由はない。
曇りの日は曇りのままに、晴れの日は晴れのままに。
山が見える日、見えない日、どちらも良い悪いではなくて、
当たり前に空模様は変化しているというだけのこと。



e0235910_23020663.jpg




e0235910_23021754.jpg




e0235910_23022648.jpg

711系、という言葉を知ったのはつい最近。
「お別れの日が近い」とWebやニュースで見聞きするようになってからで、
私のなかでは昔からそれは、あくまでも「赤い列車」。
何で711系と言うの?と尋ねられても、まるで答えられないもの、私には(笑)


ふと、外付けHDDの中の画像フォルダを開けてみると。

何げなく撮っていた過去の画像の中に、赤い列車は確かに
「いつも存在していた」のだった。



e0235910_23025230.jpg




e0235910_23030407.jpg





e0235910_23101862.jpg


サークルで隣りまちに出かける時に乗り
仕事で、更に隣のまちに通勤するために乗り
二胡教室の日は、その更にまた隣のまちへ。


赤い列車に乗る前、乗った後、
あるいは、札幌に向かう特急列車に乗る前、帰ってきた時。

ドラマチックな何かを撮ろうとしていたわけでもなく、
日常のひとこまとして写してきた。



e0235910_23105060.jpg




e0235910_23110250.jpg




e0235910_23111556.jpg




e0235910_23113060.jpg

3月12日。
赤い列車がこの管内を走る最後の夜。
初めて「赤い列車を撮るため」だけに、カメラを持って外に出た。

弥生なかばにして、まさかの吹雪の日。

運休列車も少なくなかったその夜に、強風にさらされて待つ闇の向こうから
予定時刻より10分ほど遅れてかすかな光が見えてくる。


ぐんぐん近づく光につづいて、吹雪の闇の中から「赤」が浮かび上がって
そうしてあっという間に赤い列車は
雪煙の余韻を残して私の視界から消えていった。

寒さも、ベタ雪の吹雪でびしょ濡れの我が身も忘れるほどに、
しかしそれは凛とした美しいシーンだった。



e0235910_23120332.jpg




e0235910_23121927.jpg

幼いころ、手稲の祖父母宅へ行く時は
実家からほど近い停留所で中央バスに乗り
札幌駅から手稲もしくは小樽行きの列車に乗り換えた。

あの時代はまだSLも現役だったから、ホームで列車待ちをしながら
「今日はどっちが来るのかな? 新しい赤いのに乗れるかな?」と
ワクワクしていたものだった。



e0235910_23123740.jpg

ありがとう、赤い列車。

さようなら、赤い列車。










by Okamekikurin | 2015-03-14 23:29 | ニュース | Comments(6)
Commented by Woodstock_photo at 2015-03-15 12:06
赤電車、お世話になりました。
沢山の色んな想い出をありがとう。
Commented by F at 2015-03-15 19:34 x
私も浮世の付き合いで赤い電車とトワさんのお別れに当日札幌駅に行ってきました!
今まで乗った電車の色等は全く記憶にないのですが・・・
葬式鉄と言うのだそうですね♪

 
Commented by daisuke-davidson at 2015-03-15 20:28
身近のが無くなる感覚はイヤですよね。
でも思い出は心の中で生きてるね♪
終わりは始まり♪
Commented by Okamekikurin at 2015-03-15 22:24
★Woodstock_photoさん★
年度末、お忙しい日々をお過ごしでしょうか~。
体調崩されないように、ホントにホントにご自愛くださいませね。

セイシュン時代の想い出、通学途中の色んなエピソードもあったことでしょう。
またゆっくり飲みながら、色んなお話ししたいですよー。

Commented by Okamekikurin at 2015-03-15 22:25
★Fさん★
某A先生のブログのパノラマ画像の中に、Fおトしゃんさんのお姿をしかと発見いたしましたですよぉ(笑)
12日の夜、吹雪の跨線橋から赤い列車を見送った時は人っ子ひとり、キツネ一匹いない状況の中でしたけれど、
サツエキはすごいことになっていたのですね~。

葬式鉄、私もこの言葉をネットで見て初めて知った次第でございます。

もうすぐ春分の日。
長い冬のトンネルも、やっと抜けられそうですね(^_-)

Commented by Okamekikurin at 2015-03-15 22:27
★daisuke-davidsonさん★
出逢いは別れの始めなり...ですが、別れてなお人は生きていかねばなりませぬ。
別れの数だけ人間が深くなれたらいいな、なんて考えたりもします(笑)

3月もあっという間に後半ですねぇ。
春先はココロがざわざわして苦手なのですが、たぶんこの土地に残れる最後の1年になると思うので
空知の春を存分に満喫したいです♪




<< 春、そろそろ...      気になる木々たち >>