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2017年 08月 15日 ( 1 )


2017年 08月 15日

小さな子リスの大事件(その1)


※本記事は、平成29年6月上旬のお話です。※

**************


エゾリスさんの巣は大抵、老木の洞(うろ)や枝の股部分に巣材を集めて作りますが
稀に、ヒトの作った建物の屋根裏などを利用することもあるようです。


私がいつもお邪魔しているフィールドのリスも同様で
この春、1匹の母リスが木造の屋根裏に巣をかまえていました。
子リスは外敵に狙われることも多いため、ふいの襲撃を防ぐためにも
屋根裏という場所はなかなか良い環境に思えます。


しかし、この場所には大きな問題も...。


子リスは成長とともに、巣穴から出て次第に活動範囲を広げます。
野鳥のヒナは、一度巣穴を出ると再びそこには戻らないようですが
子リスは(わずかな期間ですが)巣を出て外で遊ぶようになっても
独り立ちまでの間は母・兄弟リスと同じ巣で過ごします。
木の枝や洞の巣には、脚力の弱い子リスも幹の凹凸を利用しながら駆け上がれるのですが
屋根裏の巣から落ちた場合、力に乏しく爪もちいさな子リスが巣に帰れないという
非常事態に見舞われることもあるのです。



「過去に、そんなことがあって...」という話を、
毎日このフィールドに通ってこられるSさんからお聞きしていたその日。

Sさんがお帰りになってから、何気なく巣の下辺りをぶらついていた時
いまさっき、聞いていたばかりの話が現実になってしまったのでした。



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屋根の上を、子リスらしき姿が横切ったので「お! いよいよ巣から出てきたな」と
ワクワクしたのも束の間、私の足元で、ちっちゃな子リスが駆けているのです。

事態を呑み込むのに時間は要りませんでした。



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子リスは、屋根から滑り落ちてしまったらしく
自力では垂直かつ滑りやすい木の壁を上がれない状態なのです。




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屋根裏からは、巣に残っている兄弟リスの走り回る音が聞こえてきます。
それに反応して、地面の子リスが上に戻りたくてたまらないという様子で
ミーミーと鳴き声を繰り返し発しながら建物の周りを走ります。




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おぼつかないジャンプもしてみるのですが、壁をつたう力はなく
10センチ程度跳ねては ぽたり、ぽたりと地面にたたきつけられてしまうのです。




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困った顔で、子リスが私のもとにも駆けてきます。
(※近すぎて、ボケて写ってます)


私の膝くらいまでは勢いで上がってくるものの、やはり地面にぽたりと落ちてしまいます。
しかし仮に、私の手で捕まえたところで、親リスが出入りする屋根裏の穴は高くて
脚立などを使わないと届かない場所です。
この時、その場にいるのは私ひとりだけ。
到底、子リスを巣の出入り口に戻すことは不可能でした。




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(ところで親リスは、自分の子供の数が足りないことに気づくものだろうか??)
咄嗟に、それを考えました。

例えば、生まれた子リスが1匹だけだったとしたら。
巣穴には子リスが残っていないという状況になり、
親リスは間違いなく異変に気づけるでしょう。
でも、子リスが複数匹となると...。

リスには「数の認識」があるものなのだろうか???
一度に産むリスの数は、たった1匹ということはないだろうから
子リスがまだ母リスのおっぱいを欲しがる時期だし
母リスは残った子リスの世話に手いっぱいな中では
「1匹、足りない」ことに気づけないのでは??

そんな不安が、私の中でどんどん膨れ上がります。




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(※画像は 母リスです。)

母リスが、地面に降りてきて、子リスを発見してくれれば...
そう、願うも。なかなかタイミングよく母リスが降りてきてはくれず。



次第にしょんぼりしてきた子リスは、地面と軒下の隙間部分に潜り込んでしまいました。
しかし、そこから建物の内側で屋根裏に伝わるルートがあるはずもなく



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しばらくすると、子リスは軒下から出てきては、また建物周囲をぐるぐると走りながら
ミーミーと鳴き(泣き)続けます。



さて...どうすればよいものか...

かといって、私がここに泊まって見張りするわけにもいかないし



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子リスが軒下の隙間から出てこなくなってしまった夕方前、
(母さんリスが見つけてくれますように...)と、祈る思いで
私はその場を後にしたのでした。



※(その2)へつづきます。※





by Okamekikurin | 2017-08-15 11:51 | 子リス | Comments(6)