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ぜんまい仕掛け

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2014年 06月 13日

『玄関』


『玄関』_e0235910_18313201.jpg

この玄関は かつて
ここで暮らす家族を
送り出し、迎え入れ

朝に昼に夕に、夜更けに
冬に夏に秋に、花咲く春に

どれだけの歳月
何人のご家族
客人、ワンコもニャンコも

この玄関の戸を、くぐったのだ
数えきれない 回数を


『玄関』_e0235910_18320149.jpg

茶の間で談笑した日々
時に、諍いの日も

荒く戸を閉めて出て行った誰か、も
いたであろう
父であったか母であったか


音をたてぬように
そろりそろりと戸を閉めたのは
息子であったか娘であったか、お嫁さんだろうか


『玄関』_e0235910_18321559.jpg

家の記憶が しずかに土に還る

玄関も今は 誰に開けられることもなく
かさりかさりと 木の草の
擦れ合う音を子守唄にして

ねむり続ける







by Okamekikurin | 2014-06-13 18:41 | ツブヤキ | Comments(2)
Commented by インコ母 at 2014-06-13 20:44 x
この引き戸の玄関って、実家と同じです! 玄関しか残っていないのですね。

4月に実家に行き、入院中の母を見舞い、「一人で怖くないか、大丈夫か?」と、訊く叔父に、
「何年暮らしたと思ってるの、父が守ってくれるから大丈夫!」と、答えて仏壇に参り、懐かしく眠りました。
翌日は家の中を全部見廻り、改めて記憶に残しました。
父が愛した全ての木も池も、御影石を配置した庭も取り払い、ガランとした土庭。
どこに松や花木が植えてあったのかを しっかり記憶しています。
更地になっても忘れられないでしょうね。
 
「玄関」 開け閉めする音も家族それぞれ違いました。 遅くとも秋には始末する実家です。 やはり寂しいですね・・・。
Commented by Okamekikurin at 2014-06-14 22:28
★インコ母さん★
お写真などにおさめておかれるのも良いのではないでしょうか...
記憶というのは月日を重ねていくとともにゆっくりと曖昧になっていくものなのに、不思議と夢の中では超リアルに登場してくることがあります。
記憶の奥に、鍵付きの部屋でもあるかのように...。

扉の開け閉めにも個性がありますよね~。
そうそう、インコ達がその開け閉めの違いを把握しているから、驚いちゃいます(^。^)



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