ぜんまい仕掛け

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カテゴリ:ツブヤキ( 739 )


2018年 12月 12日

一本か 三本か


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宴会などのラストに「お手を拝借~」で始まる、
「手締め」という昔からおなじみの、あれ。


一本締めは、「イヨーオ」の掛け声で
タンタンタン タンタンタン タンタンタン タン♪


三本締めは「イヨーオ」の掛け声で同様に タンタン...、
そして間に「イヨー」「もう一丁!」と入って計三回(三本)となる。



で。一本で締めるか三本で締めるかは、
何を基準に決めるのでしょうねぇ??

...気分、とか???(まさかね(~_~;))





by Okamekikurin | 2018-12-12 06:00 | ツブヤキ | Comments(2)
2018年 12月 10日

夕食はコンビニ


父の居るホームを訪ねて、部屋で向き合っても
いつのころからか父は 私が誰なのかはわからなくなってしまった。


入室を拒んだり不機嫌になったりすることはないのだけれど
大抵は「そちらの女性は、どなた(どこから来たの?)?」
という感じに訊いてくる。


認知症ゆえに どうしても、その(同じ)質問が
数分おきくらいに繰り返されることになるのだが
「娘だよ。(次女だよ。)」といった返事をしても
父は、どうも納得がいかない、という表情をすることが殆ど。


自分の年齢をにわかに信じがたいからなのか
(とても若い、と思い込んでいるときと
「ジジイ」と自らを表現するときと、
ランダムにどちらもありで、
それもまた認知症の特徴なのかな)



そんな最近なので、もう私自身は
「父が私を娘(次女)と認識するのは求めないことに」している。
(淋しくはあるけれど)




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で、昨日も概ねそのような流れで小一時間を過ごし
帰り支度を始めて父のベッドに背を向ける角度でいた瞬間に
ふと、本当にふと、父が
「みかちゃん~。」(※父が私を呼ぶときの言い方)

と、言う。

それはまるで、つい昨日まで いやついさっきまで
当たり前に会話ができていたかのような、あまりに普通のトーンだった。


その、突然の一言に母も私も大いに驚いたのだが
当の父は きょとんとしている。


父が娘の名を呼ぶという当たり前が、
現在に至ってはとんでもなく驚きであり

しかし数分後には再び“現在の通常”、に戻る切なき現実。


認知症というものがもたらす症状、状態とはいえ
しみじみ不思議だな、と思う。
ずっとずっとこの何年か、父が演技をし続けているんじゃないかと
思いたくなることすら、ままあるのだ。


うっかりそれが 続かなくなった瞬間に
娘の名がポロリと出てしまうのではないか。
そんな気にすら、なってしまうのだ。


お父さん、それは一体、何のための演技?


などと しょうもないことをおもってしまう。
いつも、帰り道はそんなことをモヤモヤと考えて

それでも穏やかに笑う父の、存在
日々、弱弱しくなる母への、不安
思いが交錯して、自分の態度のそっけなさを反省し
ずどーんと落ち込む。毎度毎度のエンドレスループだ。




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いやいや。
こうやって、色々悩んで生きていくんだよなぁ...
どの家族も家庭にも、異なる 或いは共通する場面があったりなかったり


...と、いうような流れに思考をどうにか落ち着けて、
本日はここで一旦おしまい、とする(してしまう)。


少しずつ、おくりびとになる準備もしながら
その前によもや自分がおくられびとにならぬように、心がけて
...って、それだってわからないことなのだ。



さて。夕食は、またまたコンビニのお世話になろう。





by Okamekikurin | 2018-12-10 20:20 | ツブヤキ | Comments(6)
2018年 12月 07日

妄想★トリさんHair Salon


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【オールバック系】



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【トンガリ自己主張系】



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【コントラストくっきり系】



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【職人さん系】



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【こってりカッチリ系】



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猛禽さん観測フィールドにて秋の日々

頻繁に登場するわけでもない猛禽さんを待つ時間には
小さな野鳥さんを撮りながらあれやこれやと妄想したり



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...しかし突如 至近距離に現るオオタカさん!


フィールドでは、このスリリングさがたまりません。



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“黒いお方”は、山でも街でも しっかり者でちゃっかりさん。





by Okamekikurin | 2018-12-07 16:53 | ツブヤキ | Comments(2)
2018年 12月 05日

妄想トリ温泉


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ス:「おふろは ひとりでゆっくり、と にぎやかなおんせん、どっちがすきですか?」



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ス:「きままな ひとりぶろ。わるくないけど...」



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ス:「なんか さびしいきもするよ。」



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ス:「たまには めおとぶろ、なんてどうかなぁ~❤」



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ス:「みんなでわいわい、はだかのおつきあいも いいよね~。」

(いつのまにかシジュウカラさんも仲間入り♪)



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ス:「となりの みどりのゆ では ゆかけがっせんやってる!」



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ヤ:「きょうは かしきりなのよン♪」



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ヤ:「だれにもきがねしないで ぱしゃぱしゃほうだい!」



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ヤ:「あんまり じっくりみつめないでね~」



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皆さま、湯冷めにはくれぐれもお気をつけて..._(._.)_






by Okamekikurin | 2018-12-05 17:31 | ツブヤキ | Comments(2)
2018年 12月 04日

気のせいですか?


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...なんか 股間がムズムズするんですけどね

気のせいでしょうか??




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...なんか頭がチクチクするんですけどぉ

気のせいですかね??



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...なんか覗かれている気配を感じるんですが

気のせいかしらん??



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そっかなぁ...(´ー`)







by Okamekikurin | 2018-12-04 17:54 | ツブヤキ | Comments(2)
2018年 12月 03日

内側の色


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今日は朝いちで内視鏡検査。


鼻からの内視鏡なので、検査中もモニタで自分の内部を見て話もできる
遠い昔、自分が胃腸科に勤めていた頃から思えばなんと進化した良き時代


通常の暮らしの中では、自分の顔だの手のひらだの垂れチチだの
表側からしか見ることができない。
内側、内部をもっと頻繁に見られたらいいのになぁと
胃壁の色を見ながらそんなことを考えていたり。







by Okamekikurin | 2018-12-03 21:43 | ツブヤキ | Comments(2)
2018年 11月 27日

爪切りしましょ。


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クレンジングクリームを手のひらでスリスリと泡だてて
さぁ! 化粧落とすぞぉぉぉ~!!!...と
両手を顎ラインからおもっきし天井方向に向けて突き上げたら

左手の小指がずっぽり鼻の穴に入って爪が直撃
思いのほか大量に鼻血が出たときの
自分に向けるしかない怒りと情けなさ

うん、結構じんじんと痛かったさ~ ( ;∀;)







by Okamekikurin | 2018-11-27 22:51 | ツブヤキ | Comments(4)
2018年 11月 24日

はじまる。


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「初雪、遅いね~」とか言っていても
降るものは やはり降るわけで


何せ しゃれにならないのは転倒事故とスリップ事故
くれぐれも くれぐれも、気をつけながら
長い冬を無事に元気に、乗り切りましょう!








by Okamekikurin | 2018-11-24 08:41 | ツブヤキ | Comments(2)
2018年 11月 15日

「いろいろ」


本記事内容は、ものすごぉくどうでもいい、且つ長い駄文です。

「今、気絶しそうなほど超ヒマだよ!」というお方のみ、お付き合いくださいませ。


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(早朝撮影、たまには“いつものフィールド”以外の場所に行ってみようかな)

あまり冒険しない性格なので「ここ」と決めたらそこばかりな自分
面白みに欠けます...わかっちゃいるけど、なかなか変われないのよね~(悲)



てなわけで、珍しくその日は
滅多に行かないフィールドに赴いたわけです。


(たしかあそこも公衆トイレがあったしね❤)
↑↑これ↑↑ は自分にとって最重要ポイント。

自分ちのクルマで行ける場合は、まぁトイレがないフィールドでも
車移動でトイレポイントへダッシュGOが出来るのだが
コンビニなどが至近距離にないフィールドに公共の交通機関で行く場合
「そこにトイレがあるかどうか」が、行くor行けないの決定打となります。


秋晴れの、朝日もホコホコとやわらかなその日
森のあちこちから目覚めの野鳥のさえずりも聞こえて
うん、なまらイイ感じ。


でもね、早朝の冷えは体内に容赦なくしのび入るもので
水分いっさい摂らずに家を出てきても
「んー。シッコしたい、かも」


家に居る時は徐々にやってくる尿意でも
秋の早朝、放射冷却の森に身を置くと
唐突に尿意が断りもなくいきなりのMAXになる罠。


そんなわけで、記憶たよりのトイレ方向へ すたたたたタ。


だがしかしそこでアタシは。
寒冷地の外トイレにおける嗚呼無情的地獄を、はたと。


いやいやいや、そんなはずはあるまい。
本日、秋うららなる晴天日。
まさかトイレが閉まっている、なんちゅーことは




.....あったので、あった。



Ω\ζ°)チーン



そう、北国の森や公園に於ける外トイレは冬場、凍結防止のために
じょっぴんかって(←方言?)使用不可になるケースが多々。


「今日から11月だったンだ...」(※11月1日の話です)

今朝がどんなに小春日和であろうとも、
つなぎトンボがブイブイ飛んでいようとも、
暦の上では、つか、森林管理者さんにとっては
「冬期間」に分類されるのだよなぁ。


てゆことは、だよ。
このモーレツなるアタシの尿意は、どこでどないして放出すればいいんだぃ?


「かえろっか...」
と、手帳に記したバス時刻をみるも、
最寄りのバス停に来るバス、一番早くて1時間以上もあとじゃん!!!


「むりポ...」


そんな不安にさらされると、脳内悲し信号がすみやかに点滅を始め
我がお腹にも伝達するシンプルな仕組みバンザイ。



「おなか、いたい...」


尿意は便意へ、便意は下痢意へ、下痢意は滝下痢意へ。
所要シフト時間3分(当社比)



んー。まさかの、TAKIーGERI。
どうすべ。
おちつけ、おちつけ、おちついてかんがえよう。



★解決策その1★

「ケツ穴に渾身の力をこめて締める。
そのまま1時間以上あとのバスを待ち、
ケツ穴締めたまま一滴の下痢汁も漏らさずに
バスに延々と揺られ、這う這うの体で帰る」


うん、むり。



★解決策その2★

「とりあえず森から離れ
道路に出て民家まで歩く。
人の良さそうなおじいちゃんおばあちゃんが住む家を
嗅ぎ分けて、ピンポぉぉぉん♪
あのぅ...おトイレ、貸していただけませんか...
と、下痢目、いや涙目で頼み込む」


うん、かなりむり。


★解決策その3★

「森の奥へ奥へと進み
熊さんしかいないあたりへ辿り着いたら
すみやかに体勢をキメたのち
無になる 土に還る(還す) 祈る 去る 忘れる」


ああ、熊さんコワいなあ。
でもたぶん、それ以外に選択肢はない気がするよ。
やさしい熊さんなら、きっと一緒に並びウンしてくれる。
うんうん、そうに違いない。




かくしてアタシは、額に冷や汗と脂汗を滲ませながら
森の奥へ奥へ、笹をかきわけ枝に刺さりながら
向かったわけです。

ハラの中ではオーケストラが壮大な交響曲を奏で
まもなくクライマックスを迎えようとしていました。



「このへんでいいかなぁ...」

傍から見ると、おそらくそれはまさにいま、自らの命を絶とうとする
借金取りにおわれおわれて北の果ての森へ辿り着いた
そんな姿...には見えません。
だって震える手には、握りしめたるポケットティッシュ。


こんな時に限って、カバンに入ってるポケットティッシュは
クリネックスのいいやつ。
「さらにやわらか プレミアムにしっとり」って書いてあるよ。
このやわらかいのは、尻拭くと破れるンだべな。
うんと贅沢に重ねて使って、そしたら尻2回拭いたら無くなるべね。




覚悟は決めたさ。あとは致すだけ。


それなのに。

笹やぶにもぐって、ズボンに手をかけては
いやいや、まだまだなんとかどうにか...

と、戻り。もしかしたらガマンできちゃう?自分。
何とかなる?このまま。家まで。もつ?もしかして。


戻る。いや無理。入る。いや待てよ。
戻る。いや無理。入る。いや待てよ。


そんな挙動不審を数回繰り返して。


《諸般の事情によりこの後の数分部分は記述不可。》



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ふと仰げば頭上を、ミヤマカケスが飛んでいきました。


いい日、旅立ち。
い・い・ひぃ。そうだ、11月1日の
今日はゾロ目だったんだ...



んもう、我が視界を森の妖精エナガが舞おうとも
背後で鹿が雄たけびあげようとも
どうでもよくなりました。アタシャ、つかれたよ...



森のトイレが使用できないと分かった以上は
長居は無用...ではなくて、無理。というか厳禁!


一番早くにやってくるバスで帰ります。ええ、ええ。


笹やぶエリアを抜け、森の入り口付近まで戻った時に
迷彩柄の望遠レンズ装着のカメラマンさんとすれ違いました。


「おはようございます♪」
今さっきの、滝地獄は私のことではありません。
フツーに、ごくフツーに、一般的に挨拶をいたします。


「何か撮れましたか? 奥までは、行ったんですか?」
と、カメラマンさんから尋ねられました。


「いえ、近くのそこらへんを、歩いただけです。
今日は何も撮れませんでした~。」


奥まで行ったなんて、そこでナニがナニをナニしたなンて
口が裂けても尻が裂けても言えませんってば~!



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その二日後、の夜。


夫がふと、私に
「そういえばおとといだったか、当直明けの日だったっけか
俺DVD観てる時に、お前すっごいイビキかいて寝てたよ。
疲れてるんだなぁって思ってたけど、何かあったの?」と。



「うん、まぁ、ちょっとね。
貴方の居ない時間に、まぁいろいろあるんだよ...私も。」


そう、「いろいろ」とね

あるのでございます。






by Okamekikurin | 2018-11-15 18:32 | ツブヤキ | Comments(8)
2018年 10月 09日

あの日の備忘録


(※9月6日と7日、そしてその後の数日間の
超個人的 かつ備忘録的駄文です。
ダラダラと長いので、スルーしていただいて構いません。m(__)m )



2018年9月6日午前3時7分の大地震からの大停電が、
もしも真冬の時期だったらと、それを思うと心底ぞっとする。

が、今回のことを教訓に、風化させずに
「真冬に大停電」を想定して暖房関係の備蓄も必要と。
あれからひと月が過ぎ、朝夕の冷え込みも進みつつあるこのごろ、
同じ思いでポータブルな暖房を購入される北海道の方々も多いのでは。


以下は、9月6日からの走り書きなメモ紙などを集め
9月19日に、備忘録的に書いたものです。



*********


日常に「あたりまえ」と思っていることは、
そのあたりまえ度合いが強いものほど
「失うと、超打撃」である。


家の電気が復旧した時は、泣けた。
おいおいと泣きながら、冷凍庫の整理やら台所のあれこれを。

しかし「戻った」ということは
不眠不休でどれだけ多くの方たちが頑張ってくれたことかと。
家に家族を残し、いつ帰宅できるかもわからぬ状況の中で
働き続けてくださっている、ということ。



体調不良はむしろ、一番大変な時期の「そのあと」で
症状となりあちこちに出ることもたぶんに考えられるから。
メンタルケア、睡眠、食事、トイレタイム、それらを皆様どうぞしっかりと。


*********




2018年9月6日午前3時過ぎ

枕横に置いていたスマホ画面に、
明らかにいつもと違うレベルの緊急事態をしらせる文字と
「地震です!」の音声、それとほぼ同時に、夫が飛び起きて
居間のトリ達の場所へと駆け寄る、私も後に続く。
(※父の施設や独り暮らしの母からの「もしもの連絡」に
気づけるように、寝る時スマホは常に枕元に置いています)


タオルに覆われた鳥かごの中では、既にトリ達がパニックになって
大暴れしている。

食器棚や、部屋の中の家具の全てが、
過去に経験した地震では味わったことのない揺れと音。
建物全体が、揺れている。やばい。でかい。怖い!!!

とにかく、鳥かごのタオルを外そう。
部屋の灯りを、つけよう。


電気が、つ、つかない! 停電か!?


すぐ脇の、壁際の床に置いていた卓上ライトを灯す。
これだけは、幸いだった。
前日の台風やら、日没後の不気味な断続的稲光やらで、
ものすごく嫌な予感がしていたので懐中電灯2つ、
それと卓上式小型ライト1つを
居間の壁際に準備して就寝していたのだ。


懐中電灯を直接鳥かごに当てないようにと注意しながらも
一刻も早くトリ達を落ち着かせねば、と焦るものの
揺れが激しくて足元が定まらない。

電子レンジの上に置いた、朝食用の食器が崩れ落ちた。
割れる音がする。
少し治まったと思った揺れが、再びやってくる。

恐怖。恐怖。恐怖。



ゆうちゃん(オカメインコ)の状態が危険なので
夫が、ケージ内でぶつかりまくる身体を保定しながら取り出すが、
パニック発作のようなものすごい息になっている。
放すともっと危険なので、手に包んでいてとお願いするが
その小さな身体から信じられない程に大きい息の音。
ゆうちゃん、怖いよね、びび太(ヨウム)も怖いよね。
大地震だ。大地震だ。


窓の外から、聞いたことのない音がする。

「これ、何の音?」夫に尋ねるも、
「わからん...」と答える夫。


あれは一体、何の音だったのか今もわからない。
ゴゴゴゴゴゴーという感じの重く低い音。
あれを聞いた瞬間、私は「津波?」と不安MAXになり
スマホからWebの地震情報を開いたのだった。
(幸い、スマホは繋がっていた)
「津波の恐れなし」を見た瞬間は幾らか安堵したのだが
それでもまだ音は聞こえてくる。


風の音、よりももっと深い音だった。
地面が鳴っていたものか、海が鳴っていたものか。



ほどなくして、スマホに札幌の母からの着信。
札幌の実家には、母の弟(私の叔父)が泊まっている日だったので
「二人でいる」ということを聞き、少し安心。
怪我はなく、家具が倒れたりもしていないようだった。
喋っているうちにもまた揺れが来たので、一旦電話を切る。


夫の職場からの電話。
(当然、招集はかかるだろう)と覚悟していたが
やはり夫は職場に向かうという。
外はまだ、暗い。
真夏ならばもう外は明るい時間帯だけれど
9月に入った今は、夜明けが遅くなってきている。



怯え切ったゆうちゃんを、夫に代わって保定しようとするも
私自身が恐怖と動揺とで手が震えてままならない。
そんな私に、夫が声を荒立てる。
(性格だから、と、わかっているけれど)
こういう時の夫は本当に仕事オンリーだよなぁ。


夫が居なくなった部屋で、ガタガタと震えながら
とにかく闇の夜が終わるのを待った。
ゆうちゃんは手の中で動かない。
このまま、ショックで命を落とすだろうか。



やっとの夜明け、それから千葉に住む姉が
LINEでニュースから得た情報を送ってくれる。
姉からのそれが、唯一の情報源となった。
停電でスマホの充電もできないので、
しかも停電がいつまで続くかわからないので
スマホを使うことは極力控えよう。
逐次返信はしないけれど情報を送ってほしい旨を、姉にLINEで伝えた。


未明の大揺れで、ケージ内で暴れたゆうちゃんは
片方の風切羽がほぼ落ちてしまったので
そのままケージに戻すのはあまりにも危険と判断し、
小さな段ボールにキッチンペーパーを敷き
とにかくそこで安静にしてもらうことにした。
暴れるエネルギーも残っていないようで、
上からそっとタオルをかけた“簡易避難所”で
ゆうちゃんは でも、ちいさく呼吸をしていた。



朝8時をまわる。
向かいの、市営住宅の解体工事現場に、こんな大揺れの後でも
作業員さん達がいつも通り、それぞれの持ち場で仕事を始めた。
家は停電、テレビもパソコンも使えない不気味な静けさのなか
作業の音は自分を安心させた。
「いつも通りに働く人達がいる」それはとてもホッとすることだった。


食欲はまるでなかった。
ガスが使えたので、お湯をわかした。
コーヒーミル、電動だしなぁ。
(後で考えると、手動のコーヒーミルもあったのだが)
先日、お祝い返しでいただいた、
カップにセットする1杯ドリップ式のコーヒー、あれを使おう。

温かいコーヒーを飲んで、そこでようやく深呼吸できた感じがした。



近くのスーパーとか、電気屋さんとか、やっているのかなぁ。
トランジスタラジオと、予備電池...欲しいよなぁ。
でも、みんな同じことを思うだろうから、お店が開いていても
欲しいものは売り切れなんだろうなぁ。
あの大揺れと、余震続きの今、トリ達を残して
30分とか家を留守にはしたくないし。


昼近くなって、アパートから徒歩2分程度のセブンイレブンに行ってみる。
店内はもちろん暗いままだが、店のドアを開け放して営業していた。
レジ前には2列の行列、電池の棚はやはり空っぽ。
パンも弁当類も、既にそのスペースには何ひとつ残ってはいない。
スタッフさんが一生懸命に裏の倉庫から品を、
冷蔵の機能しない冷蔵棚に補充している。

(今、何を、どれだけ買ったらよいものか)
冷静な思考がまわらない。
だいいち、停電がいつまで続くかもわからないので
判断ができないのだった。


冷蔵庫の棚(冷えてはいないが)に補充された
「ちくわ」と「昆布巻き」のようなものを手に取ってカゴに。
後は、調理済みパックの「さばの味噌煮」と「さばの塩焼き」
それとスナック菓子の数袋。
1600円くらいの支払いで、
レシートは出せないと告げられるが、ううん全然構いません。



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家に戻ってから気づいたのだが、この「ちくわ」と「昆布巻き」は
レジ横の「おでんコーナー」で加熱販売するための【業務用】だったのだ。
これも商品として出してくれたことに、今はただ感謝。
(※翌7日は、販売できる商品がなくなったのか、このセブンは営業していなかった)
そして二台のレジでそれぞれ、この状況下でも笑顔を絶やさず対応してくださった
スタッフさん達に大々々感謝。



午後2時過ぎ、夫から電話。
一旦帰宅するが、夕方の5時からまた仕事に出るということ。
ホーマック前にいるが、店は営業中だけれど店前の行列の最後尾に
「本日はここまで」の旨が掲げられているから電池は買えない。
隣のニトリにも寄ってみる、とのことだった。
単一と単二の電池が欲しいと伝えておく(結局、単三と単四しかなかった)


水とガスは使えたので、電気を使用する以外の調理は可能だから
とりあえずスパゲッティの麺を多めに茹でた。
昨日作ったカレーを温めなおしてカレースパゲッティにしよう。
残ったカレーは残念だけど廃棄だな...冷蔵庫使えないから。


一時帰宅した夫は、仮眠と食事後、再び仕事現場へ戻って行った。



日没が、ひたすら恐怖だった。
人間だけならば、どうにかなる。
トリ達を怯えさせないで過ごせるのだろうか。


余震が来ると、びび太(ヨウム)も身構える。
段ボールの中でゆうちゃん(オカメインコ)もカサカサと動き始める。


懐中電灯を斜め方向に向けて照らし
それより柔らかい灯りの卓上ライトをやや離れた位置に置く。


少しずつ、確実に、容赦なく、闇が支配する時間帯へと進む。
市営住宅の解体工事も本日の作業を終了したようで、
いよいよ不気味なほどに静かな日没がやってきた。



暮れていくなか、闇へ包まれるなか、
私はふと二胡を弾いてみた。
そのまま弾くと、この静けさのなかではあまりにも音が大きいので
弱音器をつけて、弾いた。
楽譜も、手元も、見えないから
耳に入る自分の音だけで音程をつかむ。
これ、結構トレーニングとして有効かもだな。
暗い部屋で、そんなことに気づき独りで苦笑い。


下手な二胡の音、しかしさすがに我が家のトリ達は
その音にはすっかり慣れているので暴れることもなく
私はひたすらに、ただひたすらに
「涙そうそう」とか「シルクロード」とか
「テネシーワルツ」とか「ニューシネマパラダイス」などなど
さいきん練習している曲を思いつくままに弾いた。


電気がなくても弾けるって、いいな。



それから「声を出すのも、トリ達を安心させるのにはいいかも」と
思い立ち、読みかけの文庫本を開いて
卓上ライトを、見開いたページの傍に寄せる。
トリ達が理解しようがしまいが、読み聞かせ風に読んでみた。



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今、読みかけの本は2冊あるのだが、重い内容は避けたかったので
笑える本を迷わず選び、なるたけ明るいトーンで読む。
たまに、びび太が合の手のように(人真似の)笑い声を聞かせてくれる。

2時間ほど音読したら、眠気が襲ってきた。
未明の3時過ぎの大揺れの後、ずっと起きているしなぁ。
緊張感と恐怖感も継続しているが、同時に疲れてもいる。
うとうと、として、また声を出して読む。
うとうと、として、こちら(現実)の、闇に引き戻される。
涙が、つー、と流れた。
(これから、どうなるのかなぁ...)



ふと、スマホのLINE着信に気づいた。
上の階の、奥さん。エミちゃんからだった。
「暗いの、いやだねぇ」って感じのやり取りをしていたら
「今からちょっと、行っていい?」と聞かれたので
「もちろん! おいでよ~!」と大歓迎の返信を打って
それからほどなくして、エミちゃんがランタンを片手に
(家のチャイムは停電だから鳴らないし)私も懐中電灯で出迎えて
暗い茶の間でお互いすっぴんのまま、取り留めのない話をした。


独りでいるより、それは なんと心強かったことか。


あの夜の、暗い部屋のなか、エミちゃんとお喋りしたことを
私はずっとずっと、忘れないだろう。



遅い時間に、夫が帰宅した。
車が戻ったので、駐車場に降りて車内でスマホの充電をする。
翌朝は5時出勤ということだったが、日付が変わる頃に当直の方から連絡があり
市内の電気が復旧しつつあるので明日は通常出勤でいいとのことだった。



9月7日朝、依然としてこの界隈の停電は解消されていない。
凍らない冷凍庫内で自然解凍されてしまった食パンと、
これまた自然解凍されてしまったウィンナーをフライパンで焼く。
コーヒーは、前日同様に、カップにセットするものを淹れる。

私は食欲がなく、朝食は抜き。
出勤直前、夫が下痢。
ストレスやら諸々なんだろうな。



午前10時、近くのケーズデンキへ行ってみるが、
営業はできないと店前でスタッフさんが
続々訪れるお客さん達に告げている。

その横の、マックスバリュへ行く。
こちらは行列になっていて、10名くらいずつ区切って
スタッフさんの誘導のもと、入店。
店内を自由には歩けず、レジスペースより入り口側に張られたロープに沿って
バイキングのように、販売可能な種類から商品をチョイス。


湯せんで食べられるパックの白飯はひとり1つ限定。
袋菓子、ソーセージ、カルパス、カップ麺
オレンジと梨を各1個、アルミ鍋入りのうどん
などなどで、合計2000円支払う。
レジが使えないので、レシートは無し。



その斜め向かいのホーマックに向かう。
こちらも店前に行列。スタッフさんの指示で入店。
品切れの商品を、予め書き出して店前に貼ってくれていた。
やはり、単一電池は買えないか...


店内の照明がないので、入店時にスタッフさんが客の一人一人について
「何を探しているか」と問いかけて商品棚へ誘導してくれる。
その神対応があまりにも素晴らしく(&笑顔も)胸がいっぱいになる。


「トランジスタラジオのようなもの、もうないですよね?」と聞くと
「ありますよ~」と緊急特設棚(入口そば)に案内してくれる。
「これと別なものも、奥の売り場にあったと思いますが行ってみますか?」と
やさしい笑顔で聞いてくれる。
「いえいえ、これで構いません。有難うございます!」


涙ながしながら、支払いをして、店をあとにする。



仕事先のエミちゃんからLINEが入る。
「電気、つきました?」
「いや~、まだだわ」
そんなやりとり。


(今夜もまた 闇の中なのかなぁ...)
お昼を過ぎて、再び襲い来る不安に 心がズンと重苦しくなる。


しかし、いましがた買ったばかりのラジオが聞ける、その有難さ。
情報が入ってくる、それは事態の大きさと酷さを知ることでもあったが
「外と繋がる」安心感により少しずつ心の落ち着きを取り戻せてきた。



圧力鍋でご飯を炊いてみようかな...
それは初めてのことだったので、
購入時に同梱されていた圧力鍋レシピ本を開いて
ご飯の炊き方を見る。なるほど、簡単そうだな...


2合のお米を研いで、さて着火...と台所に立っていたその時
上の階のエミちゃんから「電気、つきましたよ~!」と連絡が。
「え!ホント!?」玄関の納戸を開けて、ブレーカーをぐいっ。


ぶぶぶいーーーん。部屋のあちこちから、電気の発する音が。


つ、つ、ついた.....!!!!!


涙。涙。涙。


9月7日、日没を待たずに、我が家の電気は復旧した。
余震はまだまだ続いていたけれど、電気がつく部屋、
それはものすごくものすごーく、心を温めるものでもあった。


夕食は、前日たっぷり茹でたスパ麺が残っていたので
缶のミートソースを使って食べきることにした。



ゆうちゃんが、段ボールから出たがるようになってきた。
元気を少しずつ取り戻してきた証拠でもあるのだろう。
抜けた羽の後は、痛々しく出血の色に染まっていたけれど
長く慣れた場所である鳥かごに戻した。


夜中の余震の際、すぐにケージを守れるように
トリ達の前に毛布を敷いて寝ることにした。



以下、その後4日間の食料品買い物などのメモ。



9月8日(土)昼
徒歩で5分程度のマックスバリュ、ケーズ(やってない)、ツルハへ
(※ケーズデンキの店前にスタッフさんが立つ。ご苦労様です。)


【マックスバリュ】
商品棚はほぼ空っぽだが、野菜は結構あった。
ほうれん草を買えてうれしい。さつまいも、レモンも買う。
蕎麦の乾麺を多めに、スパゲッティとレトルトのソースも多めに買う。
あと、カップ麺も。



9月9日(日)昼
【マックスバリュ】
商品棚、依然としてまだらに不揃いだが仕方がないこと。
逆にお酒のコーナーにはびっちりと並んでいるのがアンバランス。
なるほどこの事態ではそういうことだよなぁと妙に納得。



9月10日(月)昼
【マックスバリュ】
サンマが買えた。大根と胡瓜も新鮮、購入。
牛乳は商品棚になし。


夕食:さんまの塩焼きと大根おろし。塩辛。胡瓜とわかめの酢のもの。味噌汁。


「普通」の有難さを、しみじみと実感。



9月11日(火)昼
【イオン】
豆腐、納豆類は依然として商品棚が空(あさイチでは若干販売していたよう)
もやしは大量に入っている。
魚、肉も豊富。
乳製品が少ない。
非常時用の備蓄類は一旦購入を休止しよう。


夕食:生鮭を大葉で巻いてフライ。キャベツてんこ盛り。
キムチ。野菜スープ



これを書いている9月19日、余震の数は減ってきたが
引き続き夜はトリ達の前で寝ている。


(※2018年9月19日記)
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あの日の大地震と大停電でも私は自宅で過ごせましたが
今もなお、避難所での暮らしを余儀なくされる方々が大勢いらっしゃいます。


温かな普通の日常が、一日も早く戻りまように。





by Okamekikurin | 2018-10-09 05:44 | ツブヤキ | Comments(12)